< 目 次 >
■ global2jからのおしらせ
■ 今月のキーワード
■ 金融翻訳事情
※ 新規登録・登録変更・配信停止、バックナンバーはこちら:
http://www.global2j.com/magazine/index.html
■ global2jからのおしらせ ■
○「最新金融翻訳講座」募集のおしらせ
現在、「最新金融翻訳講座」(旧講座名:「最新金融翻訳講座 Aコース」)の受講申込を受け付けております。2019年10月会員の申込期限は7月20日となっておりますので、ご興味のある方は講座ホームページをご参照ください。
■ 今月のキーワード ■
【CCyB】カウンターシクリカル資本バッファー
CCyBはcountercyclical capital bufferの略で、景気下降局面の影響を抑えるために各銀行が好況期に蓄えておく自己資本のことです。
(例文)
The US adopted CCyB as a policy tool a few years ago.
(訳例)
米国は数年前にカウンターシクリカル資本バッファーを政策ツールとして採用した。
■ 金融翻訳事情 ■
【金融翻訳業界は週末が書き入れ時!?】
今回は、弊社の翻訳コーディネーターが土曜日の手配業務についてお話しします。
金融翻訳業界ではウィークリーレポートなどといった定期刊行物の翻訳需要が非常に多く、その大半は土曜朝に入稿します。これは、翻訳の依頼主である外資系金融機関のエコノミストやアナリストが米国時間の金曜午後に原稿を執筆・配信することが多いためです。多くのお客様からたくさんのお仕事をいただけるのはありがたいものの、どのレポートも翌週の月曜日に発行されるケースがほとんどのため、担当翻訳者やエディターのスケジュール調整に苦慮することが少なくありません。
全体的な入稿量が少なめの週末はともかく、レポートの分量がどれもかなり多い時はコーディネーターとしての手腕が問われるといっても言い過ぎではないでしょう。翻訳者によっては得意分野や一日にこなせる分量が異なるため、それぞれの能力を踏まえたうえで仕事を割り振る必要があります。場合によっては、毎週お願いしている翻訳者以外の方々にも声をかけたり、各人の翻訳量を増やしたりするなどして臨機応変に対応しなければなりません。専門性の高いものや、難易度が高い内容のレポートは経験豊富なベテラン翻訳者に優先的に依頼することもあります。さらに、当社では最終的な翻訳の品質管理の責任者である社内エディターが翻訳者の訳文を細かくチェックするため、そのエディターの作業時間も考慮して納品までの作業スケジュールを組む必要があります。
そのようにして可能な限り効率的なスケジュールを立てていく中で、週末の全体的な受注量が弊社のキャパシティを超えそうな時は非常にやきもきします。どの翻訳者も手いっぱいの時は、その中でも一定以上の分量をこなせる翻訳者に追加で仕事を引き受けてもらえないか打診することも多々あります。そうした翻訳者には多少の無理を言ってもいつも気持ち良く仕事を引き受けていただけるので、弊社としては大変助かっています。
土日の二日間という時間制限の中でいくつもの翻訳を仕上げなければならないため、翻訳者やエディターに対していかに的確な指示が出せるかがカギになってきます。翻訳の受注から納品までの工程を効率よくスムーズに進められた時は、コーディネーターとして最もやりがいを実感する瞬間と言っても良いかもしれません。縁の下の力持ちとして一つひとつの仕事にしっかり対応できるよう、これからも経験を積んでいきたいと思います。
|