< 目 次 >
■ 今月のキーワード
■ 金融翻訳事情「金融翻訳とは(2)」
■ global2jからのおしらせ
※ 新規登録・登録変更・配信停止、バックナンバーはこちら:
http://www.global2j.com/magazine/index.html
■ 今月のキーワード ■
【cash rates】キャッシュ・レート、短期金利
翌日物金利を意味する場合が多いですが、単に短期金利の意味で使われることもよくあります。
(例文)
The relationship between cash rates and long term rates are not straightforward, since the latter is often influenced by inflation expectations.
(訳例)
短期金利と長期金利の関係は単純ではない。後者はインフレ期待の影響を受ける場合が多いからだ。
■ 金融翻訳事情「金融翻訳とは(2)」 ■
今号では投資家向け調査レポートについてお話します。
≪投資家向け調査レポート≫
金融・経済分野を専門とする当社の経験上、この業界で最も翻訳需要が多いのは外資系証券会社が発行する投資家向け調査レポートといってよいでしょう。投資家向け調査レポートとは、証券会社各社のアナリストやエコノミストなどがプロの視点から分析した最新の市場動向に関する情報をレポートとしてまとめたものです。分野は金融・経済の中でも幅広く、マクロ経済をはじめ株式、債券、為替、投資戦略など多岐にわたります。また、デイリーレポート、ウィークリーレポート、マンスリーレポートなど定期的に発行されるものが多く、具体的な例としてはマクロ経済ウィークリーレポート、投資戦略ウィークリーレポート、為替市場ウィークリーレポート、株式デイリーレポートなどが挙げられます。
では、こうした調査レポートはどこで入手できるのでしょうか。重要度の高いタイムリーな内容のレポートは証券会社のサービスを受けている投資家にEメールで配信されるか、投資家限定のウェブサイトに掲載されるか、または印刷物として郵送されるため、残念ながら関係者以外は閲覧することができません。ただし、発表されてから一定の期間が経過したレポートであれば、証券会社が過去のアーカイブとして自社ウェブサイトで一般に公開することもあるようです。インターネット上で英語版とそれに対応する日本語版のレポートを探し出し、照らし合わせながら読んでみるのも翻訳の学習に大いに役立つでしょう。
調査レポートはいかに投資家に興味深く読んでもらえるかが重要なため、その構成や内容は筆者の視点やスタイルによってさまざまです。英語で書かれているレポートを日本語に翻訳する場合、その点を考慮しながら訳していく必要があるでしょう。ただし、それは翻訳者の個性を出すということではありません。個性を出そうとして原文の意図するところから離れてしまったりすると、翻訳版レポートとしての信用度が下がってしまいます。投資家は調査レポートを投資の判断材料にしているため、翻訳する側は原文のニュアンスに忠実かつ直訳調でない、自然な文章に仕上げる必要があります。決して簡単な作業ではありませんが、そこがプロの翻訳者としての腕の見せ所といえるでしょう。
次回は納期についてお話します。
■ global2jからのおしらせ ■
1月に実施したトライアルには数多くのご応募をいただき、ありがとうございました。結果は3月中に通知致します。 |
|