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■ 特別企画「金融翻訳に関するFAQ特集【後編 仕事編】」
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■ 金融翻訳に関するFAQ特集 ■
前月号に引き続き、今月号も「金融翻訳に関するFAQ特集」をお送りします。
今回は、翻訳の仕事に関する代表的な質問をご紹介します。
【後編 仕事編】
Q1 翻訳者の募集は「経験○年以上」など、経験者に限られることが多いようですが、未経験者はどうしたらよいのでしょうか
翻訳の世界では必ずしも経験だけが重要というわけではないと思いますが、実績を重視する翻訳会社が多いのは確かなようです。ただし、当社をはじめ、経験よりも訳文の質を重視する会社もきっとあるはずです。しっかりと勉強を続け、実力をつければおのずと道は開けてくるでしょう。
Q2 海外でも翻訳の仕事はできるのでしょうか
インターネット、電話、ファクスなどの通信環境が整っていて、日本語でのEメールおよびWordの操作ができれば、海外からでも翻訳の仕事を受注することは可能です。実際、当社では海外在住者の方に登録していただくことも決してめずらしくありません。むしろ、時差を利用して日本時間の夜間に翻訳ができるのは有利な点と言えるでしょう。
Q3 翻訳者になるにあたって、年齢的な制限はあるのでしょうか
当社の登録翻訳者に限って言えば、年齢的な傾向は見受けられません。下は20代から、上は退職後の第二のキャリアとして翻訳の仕事をされている方まで、実に様々な年齢層の方が活躍されています。ただし、プロの翻訳者を目指すのであれば、あらかじめ一定の準備期間を設けて集中的に学習をする必要があるので、翻訳学習の開始時期は早いほど良いでしょう。また、年齢よりも、むしろどれくらい向上心を持っているかが重要になってきます。新しいことを学ぼうという意欲があり、努力をおしまずに学習を続けられる方が翻訳の仕事に向いているでしょう。
Q4 金融翻訳だけで食べていけるのでしょうか
企業の間ではここ数年、翻訳のような周辺業務は外部の信頼できる会社もしくは個人に委託する傾向が強まっています。弊社の独自調査によると、外資系金融機関の5割には翻訳を外注するニーズがあり、残りの2割には社内翻訳者がいることがわかりました。社内翻訳者は辞めてしまったり病気になったり、あるいは一時的に翻訳業務が集中することもあるため、潜在的には全体の7割が何らかの形で外注の翻訳者を必要としていると考えられます。その一方、現時点では優秀な翻訳者が少ないのも金融・経済分野の特徴であり、実力さえ身に付けば、活躍の機会は比較的見つけやすいと言えるでしょう。ただ、フリーランス翻訳者は実力によって収入の幅が非常にあり、実力をつけずに独立してしまうと、1ヶ月の収入が数万円にも満たない恐れがありますので、まずは半年から1〜2年程度を翻訳学習に充て、ある程度仕事を獲得できるレベルに達した時点で独立を考えたほうがよいでしょう。
Q5 トライアルを受けるときのポイントはありますか
当社に限らず、翻訳会社は応募者の経歴や実力だけでなく、応募の仕方やビジネスマナーも重視しています。なぜなら、求職活動の仕方一つで、その方の仕事に対する姿勢がある程度見えてくるからです。翻訳会社は実力が同じであれば、マナーを身につけた人と気持ちよく仕事をしたいと考えていますので、トライアルに応募する際は以下の点などを十分に注意しましょう。
・常識的なマナーのある文章を書いているか
・応募書類に誤字脱字がないか
・指定された提出方法にしたがっているか
Q6 翻訳会社に登録したのですが、仕事がなかなかきません
翻訳会社のトライアルには合格したものの、その後なかなか仕事の依頼が続かないという問題はよく聞かれます。仕事を継続的に獲得できるかどうかは、まさに翻訳力次第ですので、受注がなかったり少なかったりするのは、おそらく実力不足が原因の一つと考えられます。したがって、実力が十分でない段階でトライアルを受けるよりも、まずは半年から1〜2年かけて確実に専門分野の翻訳力を向上させることこそ、登録翻訳者として継続的に仕事を獲得するための最善策かと思われます。また、実力だけでなくビジネスマナーも受注状況に大いに関係してきますので、実際に仕事をする際には十分な注意が必要です。
Q7 副業は可能でしょうか
今回お寄せいただいた質問の中に「証券会社に勤めながら翻訳会社に登録し、仕事をすることは可能でしょうか」というご質問がありましたが、外資系金融機関などでは守秘義務の観点から競業を禁止しているケースがほとんどのため、フリーランス翻訳者として仕事をするのは避けるべきでしょう。仮に現在お勤めの会社で副業が認められているとしても、本業に支障を来たさないよう、十分に注意した上で取り組むことが必要です。また、限られた曜日や時間帯しか作業できない翻訳者と、随時受注できる翻訳者の実力がほぼ同じだった場合、翻訳会社は後者に優先的に発注する傾向にならざるを得ないと思います。専門性が低い仕事は、担当できる翻訳者が多く競争が激しいと考えられるため、自分の翻訳力に課題があると思われる場合には、副業で翻訳の仕事をしようと焦るよりも、まずはその時間を使って少しでも実力を上げることに専念したほうがよいでしょう。
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