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【lag】遅行する
一般の英和辞書では他動詞のlagの意味は「〜より遅い」とされていますが、金融・経済関係の調査レポートなどでは「〜に遅行する」と訳すとしっくりくる場合が多いでしょう。反対はlead(先行する)。
(例文)
Capital expenditure tends to lag consumer spending by one to two quarters.
(訳例)
設備投資は個人消費に1〜2・四半期遅行する傾向にある。
■ 金融翻訳事情 ■
【新聞の読みかた講座6】
今回も実際の記事を元に、読み方のポイントをお伝えします。
2012年5月8日 日経新聞朝刊より抜粋
「売る権利」商いが活発
7日の株式市場で日経平均オプションのプット(売る権利)の売買高が急増した。プットの購入は相場の先安観が台頭した時に有効な手法。連休をはさみ、欧米で懸念材料が相次いだため日経平均株価は約3ヵ月ぶりの安値を付けた。投資家の間では日本株の一段安を警戒し、プット保有によって相場下落に備えようとする動きが活発になった。
☆用語に注目
・「日経平均オプションのプット(売る権利)」
オプション取引とは、ある商品(為替、株式、債券など)を将来の一定期日(あるいは一定期間内)に、特定の価格で売る(または買う)ことができる権利の取引です。オプションの権利にはプット(売る権利)とコール(買う権利)の2種類があります。
☆表現に注目
・「相次いだため」
「〜ため」という単語は主に目的を表す場合と、原因や理由を表す場合に用いられます。用途の広さからついつい何度も繰り返して使ってしまいがちです。読みやすい訳文にするには、目的を表したい場合は「〜を意図して」、「〜が目的で」など、原因・理由を表したい場合「〜ことから」、「〜が理由で」などと、文脈やつながりに応じて言い換えることが必要になります。
☆解釈に注目
・「プット保有によって相場下落に備えようとする動き」
前述の通り、プットオプションはある商品を一定の価格で売る権利です。この権利を保有することで、ある商品の価格が想定より下落しても、権利を買った時点で取り決めた価格で商品を売ることができます。つまり、プットを保有することで相場より高い価格で商品を売ることができる可能性があるのです(ただし、相場価格がプット購入時に取り決めた価格を上回った場合はプット保有の恩恵はなくなります)。そのため、相場下落が予想される局面ではプットを保有する動きが活発になります。
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