< 目 次 >
■ 特別企画「金融翻訳に関するFAQ特集」
■ global2jからのおしらせ
※ 新規登録・登録変更・配信停止、バックナンバーはこちら:
http://www.global2j.com/magazine/index.htm
■ 金融翻訳に関するFAQ特集 ■
先月号で金融翻訳に関する質問を募集したところ、驚くほど多数のご質問をお寄せいただきました。今号と次号では、皆さんからよく聞かれた代表的な質問をご紹介します。
【前編 学習編】
Q1. 実務翻訳全般ではなく、金融翻訳にしぼるべきでしょうか
色々な分野の翻訳ができれば仕事の幅が広がるという考えもあるかもしれませんが、当社では自分の得意とする専門分野を持つことこそ、仕事を獲得し、翻訳のプロとして質の高い仕事をするための近道であると考えています。英日訳に加え日英訳もできた方がよいのかという質問も多数寄せられましたが、これについても同様のことが言えるでしょう。何か一つをモノにするには相当な努力と時間がかかるものです。現時点で専門分野が固まっていないのであれば、自分の興味やこれまでの実務経験などを踏まえ、自分に向いている分野は何なのか考えてみましょう。
Q2. 翻訳者になる上で、取得しておいたほうがよい資格はありますか
当社ではトライアル訳文の完成度により翻訳者登録の合否を判定しますので、翻訳・語学関連の資格は必須ではありません。ただし、中には応募条件として資格を求める翻訳会社もあると思いますので、事前に詳細を確認した方がよいでしょう。金融翻訳のプロを目指していかれるのであれば、そうした資格を取得するための勉強をするよりも、金融・経済の日英のレポートをたくさん読み、英文をこなれた日本語に変換できるような訓練に力を入れた方がよいと思います。
Q3. 翻訳のスピードを上げるためにはどうすればよいのでしょうか
確かに実際の仕事になると訳文のクオリティだけでなく、スピードも重要です。ただし、学習の段階ではあまりスピードを気にせず、訳文の完成度を上げることに専念した方がよいでしょう。一定の質の訳文に仕上げられるようになった時点で、スピードを上げる努力をした方が効果的と思います。
Q4. 金融・経済分野独特の言い回しに慣れるにはどうすればよいのでしょうか
外資系金融機関のサイトで日英の調査レポートを探して読んでみましょう。金融関連の文書で頻繁に使われる言い回しがたくさん出てくると思います。また、日経新聞やフィナンシャル・タイムズで同様の内容の記事を探し、比較して読んでみるのも手です。一言一句対応した記事はないと思いますが、じっくり読んでいればよく目にする単語や表現があることに気づくはずです。こうした訓練を続けていけば、この分野独特の言い回しに自然と慣れていくでしょう。
Q5. 家事・育児をしながらの翻訳学習が大変です。他の方はどのように時間のやりくりをしているのでしょうか
家事や育児をしながら学習時間を確保するのは大変だと思います。当講座の受講生で小さなお子さんをお持ちの方に時間のやりくりについて聞いてみたところ、家事はお子さんが家にいる間または起きている間に済ませ、学習はお子さんが保育園に行っている間に集中して取り組まれているそうです。また、当社の登録翻訳者の方の場合、家事はなるべく仕事のない日にし、どうしてもやむを得ない場合は早朝に最低限のことだけを手早く済ませるとのことでした。家事・育児と学習の両立は決して楽ではありませんが、通勤がなく、ある程度自由にスケジュールを立てられるところが在宅翻訳の仕事のメリットの一つでもありますので、時間の使い方の工夫を楽しみながら頑張ってみてください。
Q6. 金融翻訳でTRADOSは必要でしょうか
TRADOSのような翻訳支援ツールは、コンピューターマニュアルなど繰り返しの表現が多い文書や、別の文書でも似たような言い回しが一般的なひな形として存在する場合には非常に有効です。しかし、残念ながら金融分野ではごく一部の文書を除き、TRADOSの使用はほとんどないと思われます。なぜなら、金融機関の調査レポートなど、この分野で翻訳需要の多い文書の場合、文章に筆者の個性やスタイルがあり、製品マニュアルのように画一的な翻訳ができないからです。たとえそうした文章をTRADOSの「翻訳メモリ」に蓄積したところで、翻訳作業の効率化を図ることは難しいと思います。金融翻訳でTRADOSを使う機会はほとんどありませんが、そうした翻訳支援ツールでは完成度の高い翻訳ができない文章が多いからこそ、翻訳者の力量がいっそう問われる分野と言えるでしょう。
次号では翻訳の仕事に関するFAQをご紹介します。
■ global2jからのおしらせ ■
・登録翻訳者募集について
2006年1月1日より第1四半期の登録翻訳者募集を開始します。興味のある方は当社ウェブサイトの「採用情報」(http://www.global2j.com/recruit/index.html)で詳細を確認の上、ご応募ください。
・2006年1月16日開講講座の受講申込期限について
グローバル・トゥー・ジェイでは、年末年始(12月29日(木)〜2006年1月3日(火))を休業とさせていただきます。通信翻訳講座「金融・経済翻訳総合講座」および「最新金融翻訳講座」の申込期限は通常、毎月の最終営業日ですが、2006年1月16日開講講座については1月7日(土)まで受け付けています。ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。 |