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■ global2jからのおしらせ
■ 今月のキーワード
■ 金融翻訳事情
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■ global2jからのおしらせ ■
○「最新金融翻訳講座」募集のおしらせ
現在、「最新金融翻訳講座」(旧講座名:「最新金融翻訳講座 Aコース」)の受講申込を受け付けております。2019年7月会員の申込期限は4月20日となっておりますので、ご興味のある方は講座ホームページをご参照ください。
■ 今月のキーワード ■
【across the curve】イールドカーブ全般で、イールドカーブ全体で
このcurve はyield curveを意味します。債券市場の状況を説明した記事や調査レポートなどでよく見かける表現です。
(例文)
US Treasury yields rose across the curve in October.
(訳例)
10月に米国債の利回りはイールドカーブ全般で上昇した。
■ 金融翻訳事情 ■
【求められる翻訳者像】
今回は、弊社の翻訳コーディネーターが考える「求められる翻訳者像」についてお話ししたいと思います。
翻訳会社が求める理想の翻訳者にはいくつかの特徴があります。
1)最終見直しがしっかりできている
丁寧な仕事をする翻訳者の訳文には誤字・脱字、数字の誤り、あるいは訳抜けなどといった単純ミスがほとんどみられません。訳文を一文字単位で仕上げていく緻密さ、注意力、そして自分の訳文に問題がないかどうか客観的に見る力が備わっているようです。
2)メール対応が早い
「売れっ子」の翻訳者ほど、いつ仕事が来てもいいようスタンバイしています。稼働可能な日にはEメールをこまめに確認したり、外出先からでもスマートフォンなどでメールチェックできるようあらかじめ設定したりしておくなど、迅速な対応を怠りません。翻訳会社は翻訳者に仕事を依頼する際、メールで打診するケースがほとんどであり、引き受けてもらえるかすぐに回答が必要な場合には素早く反応してもらえると助かります。
3)翻訳会社からのフィードバックを次の仕事に生かしている
弊社では翻訳したレポートの「完成版」を担当翻訳者に送付し、自身の訳文と照らし合わせるなどして次の仕事に生かしてもらうようにしています。完成版にしっかり目を通している翻訳者は自分の誤訳や改善すべき点に気づき、同じような間違いを繰り返すことが極めて少ないです。また、使える表現をまねるなどして、より完成度の高いこなれた訳文に仕上げるための努力を惜しまない方も多いようです。
4)翻訳料金表の内容が正確に記入されている
弊社では毎月、依頼した翻訳案件を一覧にまとめた料金表を翻訳者に提出してもらっています。きめ細かな作業ができる翻訳者の料金表に計算式の入力ミスや文字数の打ち間違いなどといった誤りが見つかることはほとんどありません。お金に関わることに関しては、より慎重に対応できる方が信用できると言っても過言ではないでしょう。
上に挙げた点は個人事業主として仕事をするうえで大切なことばかりです。とはいえ、こうした当たり前のことができていない方は少なくありません。こちらが送った仕事の依頼メールへの返信にあいさつやお礼の言葉がなかったり、翻訳料金表にほぼ毎回と言っていいほどミスがあったりする方もいます。訳文が一定水準に達していることは翻訳者に求められる必須条件であるものの、翻訳会社としては翻訳者と気持ちよく仕事をしたいと考えています。在宅翻訳は魅力的な仕事ですが、依頼主とは顔の見えないやり取りが中心となりますので、正しいビジネスマナーの感覚を持ち合わせておくことも、この業界でより長く活躍できる秘訣ではないでしょうか。 |