メールマガジン

global2j通信 ~VOL.188~ 2025年12月号

■ 今月のキーワード ■

【ahead of oneself】先走る

「先走る」、「気がはやる」という意味の慣用句で、よくget ahead of oneselfという形で使われます。金融市場に関する文脈では、市場の動向を完全に理解する前に、あるいは必要な調査や計画を完了する前に、性急に取引を行ったり、将来の出来事を過度に期待したりする投資家の行動などを指します。

(例文)

Equity investors could be ahead of themselves.

(訳例)

株式投資家は先走っている可能性がある。

■ 金融翻訳事情 ■

【金融翻訳の仕事で使うPowerPoint~グラフ編集について知っておくべきポイント】

今回は、金融業界で使用されているアプリケーションの一つ、PowerPointについてお話しします。

PowerPointは主に、プレゼンテーション資料の作成に使われるソフトです。こうした資料の翻訳案件の場合、訳文は既存の原文ファイルに上書きするのが一般的で、翻訳者が文書を一から作り上げる必要はほとんどありません。ただし、機関投資家向け調査レポートなどよりもグラフや図が中心のスライド構成になっていることが多いため、訳文を図内に挿入するための操作方法は知っておく必要があります。

グラフ内を翻訳する際には、留意すべき点があります。それは、テキストには直接編集できるものと、Excelでしか変更できないものがあるという点です。前者はテキストボックスに打ち込まれた文字列で、PowerPoint上で簡単に編集や書式変更、またはテキストボックスごとの配置換えが可能です。一方、後者はPowerPointに埋め込まれたExcelと連動している関係上、書式変更はPowerPoint上で直接できても、文字列はExcel上でしか編集できません。そのため、そうしたテキストの上にマウスのポインターを合わせてもカーソルに変わらないのです。

Excelで作られたグラフ内の文字列を変更するにはグラフエリアを選んだうえで右クリックし、表示されるメニューから「データの編集」を選択後、自動的に起動するExcelで作業すればOKです。しかし、この方法を知らないと文字の編集ができず、あれこれ試行錯誤するうちに体裁を崩してしまいかねません。レイアウトを修正するのに四苦八苦した結果、本来注力すべき訳文の推敲や見直しに十分な時間を割けなくなるのは非常にもったいないことです。 今までPowerPointをあまり使ったことがない方は、翻訳の仕事が比較的落ち着く年末の時期を生かし、基本的な操作方法を体系的に学ぶのはいかがでしょうか。本年もメールマガジンをお読みいただきありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください。

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