■ 今月のキーワード ■
【print】経済統計、統計値
一般の辞書ではほとんど取り上げられていない用法ですが、金融・経済関連の調査レポートなどでは上記の意味で使われるケースがあります。例えば、GDP printとあった場合、文脈に応じて「GDP統計」、「GDP成長率」などと訳せばよいでしょう。
(例文)
It is possible that the Q4 GDP print will be slightly weaker than our forecast of 0.4 per cent.
(訳例)
10-12月期の国内総生産(GDP)成長率は当社予想の0.4%をやや下回る可能性がある。
■ 金融翻訳事情 ■
【分野選びのポイント】
「文芸よりは実務」などとジャンルをしぼったものの、そこからさらに自分の得意分野をどれにすべきか迷っている方は多いかと思います。主な実務翻訳の分野としては金融、メディカル、契約書、ITなどがありますが、どれを選ぶにせよ専門分野を決める上で重要なのは「内容に興味が持てるか」です。当たり前のことですが、内容に関心が持てなければ知識はなかなか身につかず、翻訳力も向上しにくいものです。単に「他分野よりも翻訳需要がありそうだから」などという理由で選んでも、そうした考え方では優秀な翻訳者として成功するのは難しいでしょう。金融分野であれば「株式投資がきっかけで金融のおもしろさを知った」、「世の中のお金の流れに興味がある」、「大学の専攻が経済だったので、金融なら抵抗なく理解できる」など、動機付けは何でもかまいません。金融に対する興味さえあれば、実際に翻訳をしていて分からないことが出てきても自力で解決するなどして積極的に取り組んでいけるはずです。
金融分野で特に翻訳需要の多い文書について詳しく知りたい方は、外資系証券会社が発行する投資家向け調査レポートをインターネットで探して読んでみることをおすすめします。また、有料になってしまいますが、当社のオリジナル教材「最新金融レポート演習」(*)も金融翻訳がどのようなものなのかを把握する上で参考になると思います。ご興味のある方は入手してみてください。
*当社が実際の仕事で訳した調査レポートをもとに独自に作成した教材。