メールマガジン

global2j通信~VOL.35~ 2007年3月号

■ 今月のキーワード ■

【drag】足かせ、マイナス要因、抑制要因

経済成長に関する文章などで頻繁に使われる表現です。

(例文)
Residential investment will continue to be a substantial drag on GDP growth.

(訳例)
住宅投資は引き続き国内総生産(GDP)成長率の大きな足かせとなろう。

■ 金融翻訳事情「金融翻訳とは(3)」 ■

今号では納期についてお話します。

≪納期≫

金融翻訳業界では以前に比べて短納期化が進んでいますが、最近はこの傾向がますます強まっているように感じられます。その理由として、この業界の主な顧客である外資系証券会社が最新のマーケット情報をよりスピーディーに提供するため、翻訳会社や翻訳者に対し短期間で訳文を仕上げるよう求めている点が挙げられます。また、Eメールやインターネットがビジネス上の主要ツールとなり、従来に比べてはるかに迅速な情報配信が可能になったことも、納期の短縮化に少なからず影響しているといえるでしょう。例えば、投資家向け調査レポートの翻訳版は印刷物として郵送するよりも、データとしてEメールや投資家限定ウェブサイトで配信する方法が業界の主流になってきています。

短納期化の傾向を示す良い例を一つご紹介しましょう。ウィークリーレポートなどの定期物の翻訳を長期にわたり当社に発注していただいている欧州系証券会社A社からある時、こんな要望がありました。マクロ経済ウィークリーレポートの日本語版をよりリアルタイムに近い形で配信したいので、訳文を今よりもっと早く仕上げられないか、というのです。スケジュールなどを調整した結果、以前は1週間近くあった納期が2日に短縮化されることになりました。顧客のこうした要望はこの一件のみにとどまらず、その後、他の証券会社数社からも寄せられるようになりました。

以上のように、金融業界では重要度の高い情報をいち早く提供することが求められているため、スピード重視の傾向は今後も続くものと思われます。ただし、スピードさえ速ければいいということではありません。翻訳会社や翻訳者に要求されるのは「スピーディーかつクオリティの高い翻訳」です。翻訳する側にとってますます気の抜けない状況ですが、顧客のそうした要望に応えられる高い翻訳力こそ今後もいっそう重視されるのは確かなようです。

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