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global2j通信~VOL.33~ 2007年1月号

■ 今月のキーワード ■

【overheating】 (景気)過熱

経済が非常に急速に成長し、インフレのリスクが高まっている状態。

(例文)
The central bank is trying to avoid overheating by controlling the money supply.

(訳例)
中央銀行はマネーサプライを管理することで景気過熱を回避しようとしている。

■ 金融翻訳事情「金融翻訳とは(1)」 ■

今号から3回にわたり「金融翻訳とは」をテーマに、この業界の主な顧客をはじめ、需要の多い翻訳対象、翻訳スタイルなどについてお話します。

≪主な顧客≫

他分野と同様、金融翻訳業界も基本的には顧客、翻訳会社、翻訳者の三者で成り立っています。主な顧客は外資系を中心とする証券会社、銀行、コンサルティング会社、保険会社、PR会社などです。当社に限って言えば、外資系証券会社からの依頼が全体の9割近くを占め、翻訳対象もアナリスト、エコノミストなどといった金融・経済の専門家が執筆する投資家(*)向け調査レポートがほとんどです。調査レポート以外ではプレゼンテーション資料や社内向け文書、IR関連文書などもありますが、発生頻度はそれほど高くありません。

証券会社各社は、投資家の関心が高い情報を少しでも早く提供することに力を入れています。重要な内容が書かれている英文レポートほど日本語に翻訳するニーズが高く、Eメールやウェブサイトでのタイムリーな配信が求められます。また、投資家が一日に100件以上もの調査レポートを受け取っていることも考えられるため、証券会社は自社のレポートを優先的に読んでもらえるよう工夫しなければなりません。そうした激しい競争の中、証券会社が求めるのはスピードと品質が共にトップクラスの翻訳者や翻訳会社です。したがって、限られた時間内で良質の訳文に仕上げられる力こそ、この業界で仕事を継続的に獲得していく上で重要になってくるでしょう。

次回は、投資家向け調査レポートについて詳しくお話します。

*投資家とは市場で資産を運用する個人、法人、または団体などを指し、機関投資家と個人投資家に分けられます。主な機関投資家としては生命保険会社、損害保険会社、年金基金、信託銀行、投資顧問会社、投資信託会社などが挙げられます。

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