メールマガジン

global2j通信~VOL.24~ 2006年6月号

■ 今月のキーワード ■

【mom】 前月比
month-on-monthの略で、経済指標に関して非常に頻繁に出てくる表現です。

(例文)
Industrial Production in April rose 0.8% mom, stronger than the 0.5% consensus projection.

(訳例)
4月の鉱工業生産は前月比0.8%の増加と、コンセンサス予想の同0.5%増を上回った。
(global2j最新金融翻訳講座2006年6月号より抜粋)

■ 金融翻訳事情 ■

最近の金融翻訳業界では以前に比べ、週末の翻訳作業を必要とする案件が増えています。例えば、当社が継続的に受注しているウィークリーレポートなどといった定期物の大半は土曜日の朝に入稿するため、翻訳コーディネーターもその時間に合わせて翻訳を手配しているという状況です。今号では、週末の手配が集中する土曜日午前中を例に、翻訳コーディネーターの「ある半日」をご紹介します。

午前8時頃
起床。土曜日はオフィスに行かずとも自宅で翻訳の手配ができるため、起床時間はいつもより遅い。テレビを見ながら朝食を済ませる。

午前8時40分頃
PCを起動し、メールソフトを立ち上げておく。

午前8時50分頃
レギュラー案件のご依頼をいただいているお客様各社からメールが届いているのを確認。

午前9時頃~
まず、米系証券会社のコモディティ関連レポートを担当翻訳者Aさんに日曜日午後7時締め切りで手配。Aさんにはこれ以外にも別のレポートを1本お願いしている。

午前9時10分頃~
次は、欧州系証券会社の投資関連レポート。このレポートはいつもBさんに翌日午後2時締め切りで依頼。Bさんはこれ以外にも別のレポートを1本担当。
 
午前9時20分頃~
投資関連レポートの翻訳手配が一段落すると、ちょうど別の欧州系証券会社の担当者からメールが到着。このお客様からは毎週、マクロ経済関連のデイリーレポート1本とウィークリーレポート3本の合計4本を受注している。まず、原文ファイルをすべて開き、翻訳範囲と分量を確認。依頼内容に不明な点があったため、早急に先方に連絡。

午前9時30分頃~
不明な点が解決。さっそく、翻訳の手配を開始。デイリーレポートと、ウィークリーレポート3本のうち2本はそれぞれ1人の翻訳者が担当。残りのウィークリーレポート1本は分量が比較的多いため、3人の翻訳者に分担してもらっている。

午前10時頃
翻訳者全員から受領確認メールが届いたのを確認後、PCをシャットダウン。以上のように、翻訳の手配は毎回1時間ほどで終了します。週末案件の場合、分量のわりには納期が短いため、翻訳のスピードも少なからず重要になってきます。翻訳後の日本語文字数400文字を1枚とした場合、納期を考えると1日に6枚程度(約2,400文字)はこなせる方でなければ、依頼する側としては発注しにくいのが正直なところでしょう。

依頼内容に不明な点などがあれば「先手を打って」解決するなど、翻訳コーディネーターは依頼主の要望を正確に把握した上で、翻訳者に的確な指示を出さなければなりません。そういった意味で責任は重大ですが、これからも細かい点に注意しながら、翻訳手配を迅速に進めていきたいと思います。

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