■ 今月のキーワード ■
【backward looking】後追い的な、後追い型の
経済実態に遅れて反応する経済指標などを形容する際に使われる表現です。反対語はforward looking(先見的な)。
(例文)
Backward-looking indicators such as unemployment continue to deteriorate.
(訳例)
失業率などの後追い的な指標は引き続き悪化している。
■ 金融翻訳事情 ■
【知っておくと便利なIT豆知識】
今号では弊社の翻訳コーディネーターが知っておくと便利なIT豆知識を2つご紹介します。
1)Wordの「読み取りパスワード」設定方法
金融・経済分野に限らず、翻訳対象文書に機密性の高い情報が含まれているケースは少なくありません。第三者による情報の漏えいリスクを少しでも減らすため、依頼主によっては翻訳会社に翻訳を依頼する際、あらかじめパスワードを設定した原文ファイルをEメールで送ることがあります。また、翻訳会社が提出する訳文ファイルに特定の「読み取りパスワード」を設定したうえで納品するよう依頼される場合もあります。代表的な文書作成ソフトウェアであるWordでの「読み取りパスワード」設定手順は下記の通りです。
- 対象ファイルを開き、[ファイル]タブ→[名前を付けて保存]をクリック
- [名前を付けて保存]をクリック
- [この文書のファイル暗号化オプション]にパスワードを入力し、[OK]をクリック
- [パスワードの確認]でパスワードを再度入力し、[OK]をクリック
- [保存]
2)PDF形式ファイルの中身がコピー&ペーストできない場合の「裏ワザ」
最近、弊社でも依頼主から送られてくるPDF形式の原文ファイルは簡単に文字選択ができなくなっているケースが増えています。機密情報を簡単に複製されないようにするための防止策の一つと考えられますが、弊社の場合、翻訳対象文書の内容をまずはWord形式ファイルにコピー&ペーストしてワード数を把握するため、文字選択ができないと正確な分量が確認できません。そうなると納期の提案や、先方の希望納期までに仕上げられるかの回答に時間がかかってしまいます。そこで、この問題を何とか解決できないかと試行錯誤していたところ、Google Chromeで当該のPDF形式ファイルを開けば文書の中身を選択し、コピーできることが分かりました。
- 開きたいPDFファイルのアイコンを選択し、右クリック
- [プログラムから開く]を選択しクリック
- 任意のウェブブラウザを選択
- ウェブブラウザでファイルを開いたら、選択したいテキストにカーソルを合わせてWord形式ファイルにコピー&ペースト
弊社ではFirefox、Google Chrome、Operaなど、複数のウェブブラウザをパソコンに入れているので、どれか一つを使ってうまくいかなかったら他で試してみることもできます。在宅翻訳者の方の場合、この裏ワザを利用すれば、翻訳対象文書の長さを短時間で確認でき、翻訳会社が希望する納期までに対応可能かなどの見通しが立てやすくなるかもしれません。また、過去の日本語完成版ファイルから文章をコピーしたい場合も、一から文章を入力する手間が省けるので知っておくと便利でしょう。
いかがでしたか。いずれも特別新しいITテクニックではないかもしれませんが、コーディネーターであれフリーランス翻訳者であれ、このように実務に使えそうなちょっとしたテクニックを日頃から身に付けておくことをお勧めします。