■ 今月のキーワード ■
【marginally attached workers】縁辺労働者
縁辺労働者とは、現在は職を探していないが、過去に求職活動をしており、働く用意のある人のことです。
(例文)
If we assume the labor force participation rate declined due to an increase in marginally attached workers, we come up with an effective unemployment rate of 12.2%.
(訳例)
縁辺労働者の増加によって労働力参加率が低下したと仮定すると、実質的な失業率は12.2%になる。
■ 金融翻訳事情 ■
【ケアレス・ミス ? 種類と対処法】
気を付けていても起きてしまう翻訳中のケアレス・ミス。高度な正確性が要求される金融翻訳の世界ではミスは決して許されないと分かっていながらも、ミスを100%防ぐことができている翻訳者はほとんどいないというのが現状です。今回は当社の翻訳者が、起こりやすいミスの種類とその対処法について自身の経験からお話しします。
<ミスの種類>
①過緊張によるミス
翻訳業務の中で私が一番緊張する瞬間は、依頼原稿のファイルを開く時です。「今回のテーマは?」「分量は?」など、その大筋が明らかになるまではとてもドキドキしてしまいます。こうしたタイミングで起こりやすいのが過緊張によるミス。緊張のため視野が狭くなってしまうのか、原文の見落としや読み間違いなどが多くなります。
②気の緩みによるミス
数段落を訳し終え、「ストーリー」が見えてくると少しずつ緊張がほぐれていきます。徐々に「読者」の気分になってきて、早く先が読みたくなり、翻訳ペースも上がってきます。翻訳をしていて一番面白い時間帯ではありますが、こういう時に出やすいのが気の緩みによるミスです。翻訳ペースが速くなることもあり、気持ちが先走ることで、訳抜けなどが多くなります。
③疲れによるミス
翻訳作業も終盤に差し掛かると、脳も体もへとへとに。「ゴール」は目前なのに、なかなか前へ進むことができなくなってしまうことも。こうした時には疲れによるミスが発生してしまいがちです。原文の見落としや数字の間違い、誤字・脱字なども起こりやすくなります。
<対処法>
①については、翻訳に慣れることが第一の対処法かもしれません。ただし一朝一夕というわけにはいきませんので、緊張がほぐれた時間帯にもう一度読み直してみるのが良いでしょう。
②については、翻訳ペースが速まったなと感じる時間帯に意識的に小休止を取り、訳出個所をこまめに再チェックすることで防げるかもしれません。
③については、疲れを意識したら思い切って少し長めの休憩をとって気分転換を図り、その後に訳出個所の見直しや次の翻訳作業に取り掛かることで改善できると思われます。いかがでしたでしょうか。これを機にご自分のミスのパターンとその対処法について検討してみられることをおすすめします。