■ 今月のキーワード ■
【front month】期近、期近物
期近とは、先物・オプションの限月取引において、受渡期日までの期間が最も短い限月のことです。英語ではnearby monthという表現もあります。
(例文)
Front-month crude futures settled above $60 per barrel yesterday.
(訳例)
原油先物期近物は昨日、1バレル60ドルを上回る水準で取引を終えた。
■ 金融翻訳事情 ■
【繁忙期に気を付けたいこと】
10月から12月半ば頃までは四半期レポートや翌年の見通しに関するレポートなどの入稿が相次ぎ、翻訳業界が活気づく時期です。今回は、翻訳者としてこの時期気を付けておきたいことを、スケジュール管理に焦点を当ててご紹介します。
○スケジュール管理はデータと紙の両方で
この時期は、多くの案件を同時進行で進めることも多くなりがち。煩雑になりがちなスケジュール管理にはYahooカレンダーやGoogleカレンダーといったウェブ・アプリケーションを利用するのもおすすめです。リマインダー機能などもあるため、「うっかり」を防止できる可能性が高まります。ただし、急にログインができなくなったり、データが消えてしまうといった事例もあるようですので、そうした事態に備えてきちんとプリントアウトをしておいたり、手帳などに書き込んでおくことも必須でしょう。
○1日の翻訳可能分量を把握しておく
自分が1日どの程度の分量に対応できるのかを把握しておくことは、スケジュールを組む上で非常に重要です。これを見誤ると、無理な分量を引き受けてしまって締め切りに間に合わなかったり、また逆に慎重になりすぎて無駄な空白期間ができる、といった不都合が生じてしまいます。できれば、繁忙期に突入する前の余裕があるときに、自分の「現在の上限値」を把握しておきたいものです。また、案件によってもこうした基準は変わってくると思われます。文章の難易度(専門性の高いものかどうか)、扱っている分野(自分が慣れている分野かどうか)、文書の形式(ワードにべた打ちか、レイアウト調整が必要か)など、個別の基準を大まかに設定しておいた方がよいでしょう。
○定期的な休みを確保する
いくら繁忙期の「かきいれ時」だからといって、休みなく作業するようなスケジュールを組んでしまうのは良くありません。週に1~2日程度は定期的に休みを入れて脳をリフレッシュさせないと、結局は効率が悪くなってしまいます。また、無理がたたれば体調不良にもつながりかねません。「依頼のある時にめいっぱい引き受けたい」という気持ちも分かりますが、長期的に見れば「きちんと休みを入れる」勇気も必要です。
いかがでしたでしょうか。スケジュール管理もプロとして求められる能力の1つです。綿密な計画を立て、繁忙期をスムーズに乗り切りたいものですね。今回の記事がお役に立てば幸いです。