■ 今月のキーワード ■
【surprise to the downside】予想を下回る、下振れする
経済指標の発表などに関してよく使われる表現です。反対はsurprise to the upside(予想を上回る、上振れする)。
(例文)
December headline CPI surprised to the downside.
(訳例)
12月の総合消費者物価指数(CPI)は予想を下回った。
■ 金融翻訳事情 ■
【スタイル・チェックをお忘れなく】
金融・経済翻訳においては内容の正確さや読みやすさとともに文章スタイルの統一が非常に重要です。スタイルが乱れていると、文章自体の格調や信頼性が損なわれかねません。文章スタイルについてはベテラン翻訳者でもミスをしてしまいがちな反面、初心者でも気をつけさえすれば、ベテラン翻訳者顔負けの正確性を発揮できます。以下に代表的なチェック・ポイントをご紹介します。
- フォント:MS明朝、MSゴシックなど、指示通りに統一されているか
- 半角・全角:パーセント(%)、中黒(・)、数字、カッコなどを、半角にするか全角にするか
- 送り仮名:「貸出」などとするか「貸し出し」などとするか
- 算用数字と漢数字:「1つ」などとするか「一つ」などとするか
- 四半期の表記:「第1四半期」などとするか「1-3月期」などとするか
- 略語の表記:そのまま表記するか、正式名称に直すか
例)「ECB」:「ECB」とするか「欧州中央銀行(ECB)」とするか - 通貨の表記:「USD」などとするか「ドル」などとするか
ミスを防ぐ方法としては、1)お客様ごとのスタイルシートを作成する、2)最終チェック時に「検索・置換」機能を利用して一括変換する、などがあります。
文章表現力や英文読解力とは違い、文章スタイルの正確性は今日からすぐにでも向上させられます。まずは「スタイルがパーフェクト」な訳文を目指してみてはいかがでしょうか。