■ 今月のキーワード ■
【hard data】ハード・データ、実体経済指標
鉱工業生産、小売売上高など、実際の経済活動を具体的な数値で示す指標のこと。hard economic dataという表現もあります。これに対して、各種の景況感指数などアンケート調査に基づく指標はsoft data(ソフト・データ)と呼ばれます。
(例文)
Hard data have been improving lately.
(訳例)
ハード・データはこのところ改善している。
■ 金融翻訳事情 ■
【用語集の作成】
翻訳業務においては訳語の統一が非常に重要です。そのために欠かせないのが、この用語集。今回はその意義と作成方法などについてまとめてみました。
◆用語集作成のメリット
まず挙げられるのが、翻訳作業の時間短縮です。金融関連レポートにおいては、専門用語や最新の金融手法など、辞書には載っていない用語が数多く使用されます。最初はインターネットを使って検索するのですが、そうして得られた訳語を用語集に登録することで、次回同じ用語が出てきた際の検索の手間が省けます。
また、同じ用語でも依頼主によって好まれる訳語や表記が異なることがあり(例:「コモディティ」とするか「国際商品」とするかなど)、それを正確に把握するためにも、用語集にきちんと記録しておくと便利です。
さらに、短納期で分量の多いレポートは複数の翻訳者によって作業を進める場合が多いため、翻訳者ごとに訳語にばらつきが出てしまう可能性があります。しかし、共通の用語集を基に作業を進めることで、これを防ぐことができるのです。
◆用語集の作成方法
ここでは、エクセルを用いた用語集の作成方法をご紹介します。
- まずは1列目(縦に並んでいるのが「列」です)に英単語(英熟語)、2列目に訳語、3列目にその他の特記事項(注意事項や対象の依頼主名など)を入力していきます。
- いくつか入力し終えたら、エクセルの「並べ替え」機能を使ってアルファベット順に並べ替えます。
- 1列目に「列を挿入」し、頭文字のアルファベット1文字を入力していきます。
- 1行目に「行を挿入」し、「頭文字」、「英語」、「訳語」、「備考」…など、項目名を入力します。
- スクロールしても見出しとなる1列目と1行目が常に表示されるように「ウィンドウ枠を固定」をします。
項目を増やす際には「列を挿入」して一連の内容を入力した後、その都度並べ替えを実施すると常にアルファベット順に並んだ状態となって見やすくなります。また、調べたい用語を検索する際には「フィルタ」機能を使います。これは一例ですので、ご自分が使いやすいように工夫することをおすすめします。エクセルの機能についてはエクセルのヘルプや説明書をご参照下さい。今回の記事が皆さんの学習・業務効率の向上の一助となれば幸いです。