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global2j通信~VOL.119 2014年3月号

■ 今月のキーワード ■

【open interest】建玉(たてぎょく)

信用取引、先物取引、オプション取引などにおいて未決済になっている契約総数のこと。同じ意味の英語表現として、open contracts、open commitmentsなどもあります。

(例文)
Rising open interest confirms that new money is supporting the current trend.

(訳例)
建玉の増加は、新たな資金が目下のトレンドを支えていることを裏付けている。

■ 金融翻訳事情 ■

今回は久しぶりの「新聞の読み方講座」です。実際の新聞記事をもとに読み方のポイントをお伝えします。

3月13日付日経新聞朝刊より抜粋
「中国リスク、市場揺らす」
中国リスクが顕在化したのは商品市場だ。中国では工業品などの実需だけでなく、金融取引でも銅が利用されている。米ドル建てで調達した資金で銅を購入。それを売却して人民元に換えて高利回りの「理財商品」で運用したり、借入金の担保にしたりしてきた。ところが、「影の銀行」の問題が浮上。社債で利払い不履行が起きたことで、銀行が与信を絞る動きを取り始め、実体以上に膨らんでいた銅の需要はしぼむとの警戒感が強まっている。

☆解釈に注目
・「工業品などの実需だけでなく、金融取引でも銅が利用されている」
「実需」とは、ある商品の「実際の需要」の略であり、ここでは実体経済での利用(例:銅を使用した工業製品の製造など)を目的とした需要を指します。反対に、その商品を利用した金融取引によって利益を得ることを目的とした需要もあり、これは「投機的需要」などと呼ばれます。よって、この文章は「銅には(工業品の製造などの)実体経済での利用を目的とした需要だけでなく、投機的需要もある」ということを意味しています。

☆用語に注目
・「影の銀行」、「理財商品」
「影の銀行」とは、銀行ではない証券会社やヘッジファンドなどの金融機関による金融仲介業務のことです。「シャドー・バンキング・システム」とも呼ばれます。金融当局による規制が甘いことからその実態が見えにくく、中国ではこれらの影の銀行が扱う高利回りの資産運用商品である「理財商品」の不良債権化が問題視されています。

☆表現に注目
・「与信を絞る」
銀行融資に関する表現はいろいろあり、様々なパターンを覚えておくことが重要です。「与信」は英語ではlending、creditなどと表現され、同様の意味を持つ日本語として、「貸(し)出(し)」、「融資」、「信用」などがあります。

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