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global2j通信~VOL.114~ 2013年10月号

■ 今月のキーワード ■

【CT1】コアTier 1

Core Tier 1の略。銀行の自己資本における狭義の中核的自己資本を指し、具体的には普通株と内部留保で構成されます。

(例文)
We think that a 7-8% CT1 ratio is adequate for our balance sheet.

(訳例)
7~8%のコアTier 1比率は当行のバランスシートにとって十分であると考えられる。

■ 金融翻訳事情 ■

【時にはアウトプットも】

今回は、英日(英語から日本語への)の金融翻訳に的を絞った少々変わった視点の学習方法をご紹介します。

日常の学習においては、どちらかというとインプット、つまり英文を読むことが中心になっている方が多いのではないでしょうか。確かに、実際の翻訳作業は英文を読んだうえでそれを日本語に置き換える作業であるため、こうした学習方法が一番重要であることは言うまでもありません。しかし、一定の量の英文を定期的に読んでいるにもかかわらず、読解力がなかなか伸びないとお悩みの方もいらっしゃるようです。

そんな時にお勧めしたいのが、アウトプット学習。これは自分が言いたいことを英語にする練習のことを指します。つまり、ある意味で筆者側の立場に立ってみる練習です。「自分がこう言いたい時にはどういう表現を使うだろうか」と真剣に考える作業を積み重ねていくと、逆に「こういう表現を使っているということは、筆者はこういうことを言いたいのかもしれない」ということが「なんとなく感覚で分かる」ことが多くなってきます。この「なんとなく」という感覚は、あいまいなものでありながら、実は翻訳においては意外に重要な要素です。

自分が母国語を話したり書いたりする際のことを考えてみると、明確な文法的裏付けを一言一句確認しながら進める方はおそらく少ないと思われます。これはレポートの筆者にとっても同じです。時には必ずしも文法的に正しいとは言えない表現に出くわすこともありますが、それでも筆者の意図をくみ取って適切な日本語に置き換えなければなりません。そのような時、前後の文脈の把握とともに必要となってくるのが「英語的な感覚」です。そして、こうした感覚を身に付けるには、より能動的な学習、すなわちアウトプット学習が有効であると思われます。

アウトプット学習と言っても、英会話や英作文の指導を受ける必要はありません。自分の言いたいことを辞書やインターネット検索を使いながら「つぶやいて」みたり、書店などで手に入るような一般的な英会話書籍を使って日本語を英語にする練習をしてみるなど、独学でも十分に効果が得られるでしょう。

日頃のインプット学習に行き詰った時や、気分転換をしたい時に、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。

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