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global2j通信〜Vol.21〜 2006年4月号

■ 今月のキーワード ■


【buy on dips】 押し目買い

上昇傾向にある価格が一時的に下落した際に買いを入れること。一方、価格が上昇したときに売ること(”sell on rallies”)を「吹き値売り」といいます。

(例文)
Investors continue to look for opportunities to buy on dips.

(訳例)
投資家は引き続き押し目買いの機会をうかがっている。

■ 金融翻訳事情 ■

【用語集の作成】

用語集の作成については、2006年2月号【翻訳研修生の一日】で簡単に触れましたが、今回はその重要性、作成方法などをより詳しくお話しします。

用語集作成のメリット

1)翻訳作業の効率アップ
金融翻訳では、金融手法に関する新しい用語など、辞書を調べただけでは適切な訳語を見つけられないものが数多くあります。そうした場合には、インターネットで検索して訳語を選択することになりますが、これは案外時間がかかるものです。苦労して調べた訳語を
その場限りのものにせず、用語集に情報を蓄積していくことで翻訳作業の効率は確実にアップします。

2)お客様ごとの訳語管理
long endを「ロングエンド」とするのか、「ロング・エンド」とするのか、あるいは「長期ゾーン」とするのか。これはお客様によって異なります。こうしたお客様ごとの好みも用語集を使って管理すれば、翻訳作業をスムーズに進められるでしょう。

3)訳語の統一
金融翻訳の納期は非常に短く、多くの場合、数人の翻訳者で翻訳を分担します。このとき、翻訳者によって訳語がばらばらだと、最終的なチェックをするエディターの作業が増えてしまいます。翻訳者が用語集を基に作業を進めれば、翻訳段階で訳語を統一すること
ができ、無駄な時間をなくすことができます。

用語集の作り方
今回は、エクセルを使った用語集の作り方を簡単にご説明します。基本的には、エクセルの列ごとに分類、英単語、訳語、メモを入力し、アルファベット順にデータを並べ替え、オートフィルタ機能を使うという手順です。分類には分野などを、メモには略語や語句の
意味など、自分が気になったことを自由に入力しておくと便利です。当社では、①多くの顧客や案件を抱えている、②翻訳者間で用語集を共有している、といった理由から、顧客ごと、あるいは案件ごとに用語集を作成していますが、個人で用語集を作成する場合に
は、あまりファイルやシートを分けないことをお勧めします。これは、ひとつのシート内であれば、検索機能を使って検索をする際、一回で済むからです。このようにして作成した用語集を基本とし、必要に応じて項目を増やしていけばよいでしょう。何が使いやすいか、見やすいかは人それぞれです。いろいろと工夫しながら自分だけの用語集を作ってみてください。用語集を作るという作業が翻訳の勉強にもなるはずです。

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