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global2j通信〜Vol.15〜 2005年10月号

■ 今月のキーワード ■

【bottleneck】 ボトルネック、隘路

労働力、土地、資本などの生産要素の一部が不足することによって、企業の生産に障害や問題が生じる状態。また、その結果として供給が需要を下回り、物価が上昇することを「ボトルネック・インフレ」と言います。

(例文)
The surging inflation rate has been caused by a supply bottleneck for energy.

(訳例)
エネルギー供給のボトルネックがインフレ率の急上昇を引き起こしている。

■ 金融翻訳事情 ■

今回はglobal2jのエディターが、翻訳力についてお話します。

「翻訳力が向上しやすい人と向上しにくい人の差は何なのでしょうか」

将来的に翻訳力が向上しやすい人の傾向としてまず、金融・経済に関する基礎知識があり、専門用語や独特の言い回しの訳し方などといった金融翻訳の基本を押さえていることが挙げられます。また、良い文章を真似るなど、優れた部分をとことん自分のものにしていくという素直な性格も大いに関係していると思われます。これまで数多くの翻訳者の訳文に目を通してきましたが、実力が伸びるか伸びないかの一番の違いはその「性格」にあるといってもよいでしょう。

実際、当社の登録翻訳者(以下:「Aさん」)で、改善点を指摘されても受け入れようとせず、「自己流の翻訳」を貫く方がいました。登録していただいた当初、Aさんには訳文を一定の水準に仕上げられる器用さとスピードがありましたが、それ以上はなかなか実力が伸びず、改善点を素直に吸収していった翻訳者(以下:「Bさん」)に実力面で追い抜ぬかれてしまいました。Aさんには即戦力として期待していただけに残念でしたが、逆に登録時には経験も浅く訳文も荒削りだったBさんが毎回の仕事を通じて着実に力をつけていくのを見て、取り組み方次第でこれほど差が出るものなのかと感慨深く思いました。

自分の訳文に自信を持つのは良いことですが、自信を持ち過ぎるあまり、改善すべき点を第三者に指摘されても素直に受け入れられないようでは、翻訳力は向上しません。優れた翻訳者になるためには、文章の良し悪しを判断できる目を養うとともに、適切な指導者のアドバイスを受けながら、自分ではなかなか気づきにくい文章の癖や問題点を改善していくことが重要でしょう。

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