■ 今月のキーワード ■
【in line with】~と一致して、~に沿って、~と合致して、~と整合して
金融・経済関連の調査レポートで頻繁に見られる連語です。日本語表現は文脈に応じて使い分ける必要があり、上に挙げたのはそのうち代表的なものです。
(例文)
The sharp gain in ex-auto retail sales was in line with our expectations.
(訳例)
自動車を除く小売売上高の急激な増加は当社予想と一致していた。
■ 金融翻訳事情 ■
【金融翻訳の仕事で使うPCソフト-前編】
金融翻訳の仕事ではどのようなPCソフトが使われているのでしょうか。今月と来月のメールマガジンでは、この業界で一般に使用されているPCソフトについて説明したいと思います。第1回目の今回は、基本となるウィンドウズのワード、エクセル、パワーポイントのお話をします。
<ワード>
最も頻繁に使うソフトです。金融翻訳の仕事で大きな部分を占めるのは調査レポートの翻訳ですが、こうした調査レポートの原文はたいていワードか、次回お話しするPDFの形式で受け取ります。そして、納品はワードにベタ打ちかお客様指定のワード形式のテンプレートに上書きする場合が多いです。ワードの機能に関しては、基本的な入力と保存の仕方をマスターした上で、コメントの挿入などの編集機能も使えるようにしておきましょう。また、バージョンについては、お客様と自分の使用バージョンが違うと、表示や動作に不具合が生じることがあるため、最新バージョンにしておくことが望ましいです。
<エクセル>
ワードに比べて使用頻度は少ないですが、この形式で作成された表などの翻訳依頼も時々あります。納品は原文ファイルに上書きするか、原文を残したまま訳文を併記することが大半ですので、行間を揃えることやセルの書式設定ができればよいでしょう。数式の挿入や表計算などを求められたりするケースはまずありません。
<パワーポイント>
金融翻訳では、プレゼンテーション資料の翻訳を依頼されることもあり、パワーポイントが一般的に利用されています。パワーポイントは上記のワードやエクセルとは異なり、家庭用のPCにインストールされているWindows Home Editionには入っていないため、別途購入しなければなりません。納品は基本的に原文に上書きする形になります。最初からプレゼンテーション資料を作成する能力を求められることはほとんどありませんので、テキストボックス、ヘッダーとフッター、オブジェクトの操作などをマスターしておけば対応できるでしょう。
今回は基本ソフトについて取り上げましたが、次回はワードの部分で触れたPDFや、他の導入しておきたいソフトをご紹介します。