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global2j通信〜Vol.9〜 2005年4月号


■ 特別企画「金融・経済翻訳者の実像」■

フリーランス翻訳者になりたいとお考えの方はたくさんいらっしゃると思いますが、実際の生活パターンや一日にこなす翻訳の分量など、独立するまではなかなか想像しにくいところがあると思います。そこで、当社の登録翻訳者にアンケート調査を実施し、金融・経済翻訳者の実像に迫ってみました。今月号から3回にわたり特別企画として「金融・経済翻訳者の実像」をお送りします。

【第1回】翻訳者になるまで

金融翻訳を選んだきっかけ

アンケート調査結果をもとに当社の登録翻訳者の経歴を分析すると、大きく3つに分けることができました。(1)当社に登録するまでは翻訳未経験者、(2)他分野の翻訳経験者、そして(3)外資系金融機関での実務および翻訳経験者です。(1)の方々の場合、初めから金融・経済分野に絞っていたわけではなく、IT翻訳や時事翻訳、文芸翻訳など、さまざまなジャンルの翻訳を学習してきたようです。その過程で「面白い経済書にめぐり会ったことがきっかけで金融翻訳に興味を持った」、「自分には文芸翻訳よりも実務翻訳のほうが向いていると思った」という人もいれば、「いくつかの翻訳講座を受講後、グローバル・トゥー・ジェイのトライアルに合格したのを機に金融分野に絞り込んだ」など、登録をきっかけに専門分野を決めたという人もいます。

プロになるまでの経緯

今でこそレギュラーの仕事を多数抱えるほどの優秀な翻訳者でも、独立するまでにはさまざまな試行錯誤があったようです。学習の合間に数々のコンテストに応募したり、翻訳会社のトライアルを受けるなど、積極的にチャレンジしたものの「合格はしたけれども、なかなか仕事にはつながらず、思うような結果が出せなかった」と、挫折を味わった人も少なくありません。「いくつかの翻訳会社に登録できたということは、その時点での自分の実力が一定水準に達していたということでしょうが、それでも仕事が来なかったのはやはり、自分と優秀な翻訳者の間には『実力の壁』があったからだと思う」と、冷静に自己分析をされる人もいました。

準備期間は平均3~4年

それでは、独立するまでにはどのくらいの時間がかかったのでしょうか。「翻訳講座を受講後、翻訳会社のトライアルに合格するまでに2年、仕事を受注するまでさらに2年ほどかかった」など、4年近くもの間、試行錯誤を重ねたと回答した翻訳者が全体の6割以上を占めました。中には家事・育児との両立が難しく、6年近くかかった人もいます。翻訳学習を始めてからフリーランスとして独立するまでには平均3~4年はかかると見たほうが現実的でしょう。

目標を達成するまでの道のりは決して平坦ではありませんが、「数年の準備期間中に自分の専門分野を見つけられたこと、翻訳力を上げられたこと、第三者から客観的な評価を得られたことはいい経験になった」と印象深いコメントを残してくれた翻訳者もいます。挫折や苦労も経験のうちと考え、あきらめずに努力を続けることが最終的に良い結果を生むようです。

次回は、翻訳者のライフスタイルや実際の仕事量などについてご紹介します。

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