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global2j通信〜Vol.13〜 2005年8月号

■ 今月のキーワード ■

【bull flattening】

債券相場全体が上昇する中で、長期物が短期物に比べ相対的に多く買われた結果、長期の利回りが短期の利回りよりも大きく低下し、イールドカーブがフラット化する(=傾きが小さくなる)こと。日本語に訳す場合には、「ブル・フラット化」または「ブル・フラッ
トニング」とするのが一般的です。一方、債券相場全体が上昇する中で、短期物が長期物に比べ相対的に多く買われた結果、短期の利回りが長期の利回りよりも大きく低下し、イールドカーブがスティープ化する(=傾きが大きくなる)ことを、bull steepening(日本語では「ブル・スティープ化」または「ブル・スティープニング」)と言います。

(例文)
Foreign buyers returned to the US Treasury market late in the week, leading to a bull flattening of the curve.

(訳例)
週後半には海外勢が米国債市場で再び買いに動き、イールドカーブのブル・フラット化につながった。

■ 金融翻訳事情 ■

今回は、global2jの営業担当者が最近の金融翻訳業界の傾向についてお話します。金融翻訳業界では以前に比べて短納期化が進んでいますが、最近はこの傾向がますます強まっているように感じられます。例えば、当社がある外資系金融機関から定期的に受注している案件に、機関投資家を読者対象としたウィークリーレポートがあります。これは、平均5,000文字(翻訳後の日本語文字数)の分量を午前8時の入稿から6時間程度で処理するというものです。また、さらに条件の厳しいプロジェクトとして、毎朝午前7時台に発行さ
れるデイリーレポートがあり、こちらは日本語版発行日の前日の夜に入稿する2本に加え、当日の午前5時台に入稿する3本を午前7時までに翻訳する仕事です。分量的には全体で1,800文字程度と決して多くはありませんが、深夜・早朝に作業する必要がある上、早朝
の入稿分については1時間半程度で完成させなければならないため、翻訳者にとっては難しい案件といえるでしょう。翻訳する側にとって状況は厳しくなる一方ですが、世界のマーケット情報をリアルタイムに近い形で配信するというこの業界特有の事情を考えると、入稿から納品までの時間が短くなる傾向は今後も続くものと思われます。金融翻訳業界でコンスタントに仕事を獲得していくためには、そうした顧客の要求に応えられるよう能力を高めるとともに、作業時間などの面でも柔軟な姿勢で取り組んでいく必要がありそうです。

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