■ 今月のキーワード ■
【supranationals】国際機関、国際機関債
supranational institutions(organizations)またはsupranational bondsの意味で使われます。さらに短くsuprasと表現されることもあります。
(例文)
Dollar-denominated supranationals remain much in demand.
(訳例)
ドル建ての国際機関債には引き続き旺盛な需要がある。
■ 金融翻訳事情 ■
【新聞の読みかた講座4】
今回も実際の記事を元に、読み方のポイントをお伝えします。
2011年2月8日 日経新聞朝刊より抜粋
「長期金利、日米欧で上昇」先進国の長期金利が上昇(債券価格は下落)している。7日の市場では日米が約9ヵ月ぶり、ドイツが約1年ぶりの高水準を記録した。米経済の改善を裏付ける指標の発表が相次ぎ、日欧の景気回復期待も拡大。投資家のリスク回避姿勢が後退し、国債を売って株式を買う構図が鮮明になりつつある。
☆用語に注目
・長期金利
一般的には1年を超える預金や債券などに適用される金利のことです。日本と米国では10年物国債利回りが代表的な指標とされています。
☆理論に注目
・「長期金利が上昇(債券価格は下落)」
債券価格と金利は、一方が下落すれば他方が上昇するという逆相関の関係にあります。この理論を正しく理解していないと誤訳の原因ともなりますので、注意が必要です。株式は国債に比べハイリスク・ハイリターンの商品です。景気回復期には市場への安心感から、投資家はより高いリターンを求めて、投資資金を国債から株式に移行する傾向にあります。そのため債券価格が下落し、株価が上昇しやすいのです。