■ 今月のキーワード ■
【hit bottom】底を打つ、底打ちする、底値をつける
経済状況や相場に関してよく登場する表現です。
(例文)
Recent statistics suggest that the housing market has yet to hit bottom.
(訳例)
最近の統計によると、住宅市場はまだ底打ちしていないようだ。
■ 金融翻訳事情 ■
今月は、当社の翻訳研修生が翻訳のスピードアップについてお話します。
金融・経済翻訳の勉強を始めて約1年半が経ち、翻訳のスピードも少しずつ速くなってきました。最初は100ワード訳すのに100分以上かかっていた為替に関するレポートも、今では100ワード当たり40~50分で訳しています。以下では、その理由をいくつか考えてみました。
(1)ボキャブラリーが増えた
翻訳を始めた当初は英単語の知識が不足しており、辞書を調べるだけでかなりの時間がかかっていました。そうしたボキャブラリー不足を解消するために、金融機関のレポートだけでなく、ペーパーバックや雑誌など興味の持てるものを多読しました。今では辞書を引く回数も随分と減っています。
(2)用語集が充実してきた
金融・経済分野の専門用語や独特の言い回しなどは、毎日コツコツと用語集に入力しています。この用語集を活用することで、翻訳にかかる時間を節約できるようになりました。
(3)流れがつかめてきた
日経新聞や実際の仕事を通じて、経済の動きを毎日しっかりと追っています。以前は、この流れがつかめていなかったため、原文で少し省略して書かれていたりすると内容が理解できず、そのリサーチに時間がかかっていました。
(4)すぐに訳し始めるようになった
初めのころは一度原文をすべて読んでから訳し始めていましたが、最近はすぐに訳し始め、後からもう一度最初に戻って訳文を調整していくようにしています。私はこのスタイルの方が速く訳せるようです。