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global2j通信~VOL.31~ 2006年11月号

■ トップクラスの金融翻訳者のご紹介【前編】 ■

外資系金融機関の調査部門などでの翻訳経験を経て、フリーランスで活躍しているCさんは定期物の翻訳を数多くこなすなど、業界トップクラスの翻訳者。最近お子さんを出産し、一児の母となった現在、家事・育児と仕事を両立しながら忙しい日々を送っています。今号と次号ではCさんの日常生活をはじめ、在宅翻訳者として働くメリットや、今後の目標などについてお話をうかがいます。

◆仕事がある日のスケジュール

-このたびはインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。お子さんが生まれてからしばらく経ちましたが、出産後の生活やお仕事はいかがですか?

「そうですね、思ったより大変ですね。ウィークリーレポートの翻訳版を英語版の1週間後に発行していた一昔前なら、そして子供がまったく手のかからない子だったら、家事・育児の合間に翻訳の仕事も可能だったかもしれません。しかし、現実には仕事も育児も片手間に出来るほど甘くありません。納期は厳しく、子供はあれこれ要求してきます。時間には限りがあり、やるべきことはたくさんある。そんな状況の中で、物事に優先順位をつけて、使えるもの(保育園、夫、母、出来合いの惣菜など)は使い、できないこと(料理以外の家事)はできないと割り切り、日々生活をしています」

-お仕事がある日のスケジュールは?

「平日は8時~8時半に夫か私が子供を保育園に連れて行き(徒歩5分)、仕事を開始します。余裕があれば仕事の合間に洗濯をしたり、買い物を済ませたり、夕食や離乳食の下ごしらえをすることもあります。仕事が忙しい日は17時すぎ、そうでない日は15時半ごろに子供を迎えに行きます。先月までは1日に2回、保育園に授乳をしに行っていました。30分ほど家を空けるので、その分作業時間は少なくなりましたが、子供に会えると元気百倍、士気が高まりました」

-夕方以降もお仕事はされているのですか?

「夕方は子供の機嫌がよくないので仕事ができず、ほとんどつきっきりです。おんぶをしながら夕食の支度をし、18時すぎに子供に夕食を食べさせ、授乳。夫は早い日は18時ごろ、遅くとも19時ごろに帰宅します。夫も夕食を済ませ、19時すぎに子供をお風呂に入れてくれます。その間に私も急いで夕食を食べます。19時半ごろに子供の寝かしつけ開始。最近は15分くらいで寝てくれますが、1時間以上かかっていた頃もありました。その間に夫が食器を洗い、部屋やトイレの掃除をしてくれます。子供を寝かしつけながら一緒に寝てしまうこともしばしば。寝室を無事脱出できた時は入浴、翌朝の洗濯の準備、夫と会話など。夜中3~4回の授乳に備えて、なるべく22時ごろまでには寝るようにしています」

-在宅で翻訳の仕事をする利点について改めてどう思われますか?

「まずは、通勤がないことでしょうか。遠いときは片道1時間半かかっていた通勤がないので、その分家事や育児に時間を回すことができます。ただし、出かける必要がないので、外の天気も知らずに1日を過ごしたり、着たきりスズメになったりすることもありますが。また、時間を自由に使えることもメリットの一つですね。納期が厳しいとはいえ、締め切りにさえ間に合えば、その間の時間の使い方は自由です。仕事の合間に気分転換がてらちょっとした家事もできますし、保育園に授乳をしに行くこともできました。その分、仕事とプライベートの線引きが難しく、時間の管理や気持ちの切り替えが重要になります」

-たしかにそうですね。最近の金融翻訳業界の傾向を考えると土日も休みづらいですしね。

「でも逆に、平日に休めるのがメリットだと思います。みんなが働いているときに働かなくていいという快感(?)を味わえます。子供の予防接種や検診などはほとんどが平日ですし、風邪などで病院に行くときも空いている時間に行くことができます。ただ、みんなが休んでいる週末に仕事をしているので、仕事をしている友人となかなか会えないのが少し残念です」

-フリーランスは会社員と比べて、仕事をする場所も自由に決められますよね?

「そうですね、翻訳の仕事は場所を選ばないということもメリットの一つですね。インーネットに接続さえできれば、どこにいても仕事ができます。実際、私が在宅で仕事を始めたきっかけは夫の海外赴任でした。旅先で仕事をしたこともあります。現在都内に住んでおり、もう少し自然の多いところで子供を育てたいと思っていますが、転居にあたって自分の仕事がネックになることはありません」

-在宅翻訳の仕事は働く時間や場所などに左右されず、ある程度自分のペースでできるのが魅力ですね。どんな仕事でも働く上でのメリットやデメリットはあるでしょうが、在宅で仕事ができる点は小さなお子さんを持つ方々にとって大きなメリットと言えるかもしれません。今回は家事・育児との両立について現実味のある話をお聞きすることができました。次回は、翻訳力向上のためにしていることや、今後の目標などについてお話をうかがいたいと思います。

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