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global2j通信~VOL.27~ 2006年8月号

■ 今月のキーワード■


【SAAR】季節調整済み年率、季節調整済み年率換算

seasonally adjusted annual rateの略。小文字でsaarとされる場合もあります。季節調整とは、経済統計の原数値から季節的な変動要因を取り除くこと。年率換算は、月次や四半期などの単位で発表される統計について、当該期の増減率や水準が1年間続いた場合に、年間でどの程度の数値になるかを示したものです。

(例文)
US existing home sales fell by 4.1% to 6.33 million(saar) in July from the previous month.

(訳例)
7月の米国の中古住宅販売件数は季節調整済み年率換算で633万戸と、前月から4.1%減少した。

■ 金融翻訳事情 ■

今回は、採用担当者が翻訳発注の多い時期についてお話します。

当社では登録翻訳者を募集する際、平均的な1週間の翻訳可能なスケジュールを参考までにお聞きしています。これは、実際にお仕事をお願いすることになった場合、受注可能な時間帯を事前にある程度把握しておくためです。下記は、過去に当社のトライアルを受けていただいた方々の回答をまとめたデータです。

 平日の終日(午前9時~午後6時):56%
 平日の夜間(午後6時~午後11時):14%
 週末の終日(午前9時~午後6時):11%
 日によって異なる:8%
 仕事に合わせる:6%
 その他:5%

当社のトライアル応募者は、翻訳未経験の方からすでに翻訳のお仕事をされている方までさまざまですが、上記の回答結果のとおり、平日午前9時~午後6時を作業可能な時間帯とされる方が圧倒的に多いことが分かりました。また、中には「月曜日は終日可能。ただし、火曜日は午後8時~午前0時、水曜日は午前5時~正午…」というように、日によって受注可能な時間帯がかなり異なる方や、「一日平均3時間程度」と、作業可能な時間を限定される方も多く目立ちました。

フリーランスとして働くことのメリットの一つとして、仕事の時間をある程度自由に決められる点が挙げられます。しかしながら、依頼主からの発注の傾向を十分に分析しないまま、受注可能な時間帯を自分の都合に合わせて固定しすぎると、仕事を受けにくくなってしまうこともあるようです。金融分野に限っていえば、ウィークリーレポートなどの定期物の翻訳需要が非常に多く、しかも週末に作業が集中する案件がほとんどのため、週末のスケジュールを空けておいたほうが仕事を獲得しやすいといっても過言ではありません。平日勤務の会社員と違って土日に休みを取りづらいかもしれませんが、そうした案件を継続的に受注できるようになれば仕事日を固定しやすく、安定した収入が確保できるようになるでしょう。

翻訳を依頼する側としては、翻訳が必要なときにすぐに作業に取り掛かれる方を求めていますので、翻訳者として仕事を受けやすい体制を整える際、以下の点に注意してみてはいかがでしょうか。

・すでに翻訳の仕事をしている場合は、依頼主からの発注の傾向を分析し、発注の多い日はスケジュールを空けておくようにする
・日によって翻訳可能な時間帯が違うと依頼主も頼みづらいので、受注可能な日時はできる限り固定化する

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