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global2j通信〜Vol.4〜 2004年11月号

■ 今月のキーワード ■

【potential growth rate】

potential growth rateは通常、「潜在成長率」と訳されます。これは、インフレやデフレを引き起こすことなしに、中長期にわたって持続可能な潜在的な国内総生産(GDP)の伸び率のことです。潜在成長率は、具体的には「労働力」と生産に必要な工場、機械設備などの「資本」、それらの利用効率である「生産性」の3つの要素から推計され、供給の面から見た一国の経済の実力を示しています。景気循環の過程で、潜在成長率を上回る成長の実現は短期的には可能ですが、いずれ物価の上昇が加速し、長くは持続できません。つまり、潜在成長率とは、景気循環をならした中長期的に維持可能な「経済の巡航速度」というべきものです。

(例文)
The equity bubble of the 1920s created the depression of the 1930s and it took the better part of 30 years for the economy to recover to the potential growth rate.

(訳例)
1920年代の株式バブルは1930年代の不況をもたらし、経済成長が潜在成長率の水準に回復するまでにはほぼ30年を要した。

■ 金融翻訳事情 ■

今回はglobal2jの営業担当者が、翻訳需要についてお話します。

「金融翻訳で需要の多い分野とは?」

基本的に、マクロ経済、相場(株式、債券、為替)と投資戦略が需要の多い分野です。その他の内容の依頼も少なくありませんが、これらの分野に全く関係のない翻訳はないと考えてよいでしょう。

金融翻訳で独立を目指す方からは、「金融機関などのお客様と接する機会がないので、現在の需要がわからない」という声をよく聞きます。はたして、本当にわからないものでしょうか?皆さんは日頃、金融・経済関連の情報に対してしっかりアンテナをはっていますか?例えば、経済専門のニュース番組や日経新聞の記事で、どんなトピックが扱われているか常に関心を持つようにしましょう。国際経済や市況、経済指標だけでなく、金融機関の動向(特定業務の拡大や撤退、取扱高や顧客数の推移など)に注目すると、翻訳が必な海外の情報を求めているか、逆に日英訳では、海外の投資家がどのような日本の情報を求めているかという視点が必要です。

<翻訳需要がある基本分野>
・マクロ経済(経済指標・金融政策・財政政策)
・株式(企業収益・業種・バリュエーション)
・債券(利回り・イールドカーブ・格付け)
・外国為替(為替相場制度・為替相場見通し・テクニカル分析) ・投資戦略(資産クラス・資産配分)

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