メールマガジン

global2j通信~VOL.156~ 2017年12月号

■ 今月のキーワード ■

【blackout period】ブラックアウト期間

blackoutという単語にはよく知られている「停電」などのほかに、「報道管制」の意味もあります。金融市場においては、blackout periodまたは単にblackoutは、金融当局者が政策決定会合の前後に金融政策についての発言を控える期間を意味します。

(例文)
The Fed entered a blackout period on March 4.

(訳例)
米連邦準備理事会(FRB)は3月4日にブラックアウト期間に入った。

■ 金融翻訳事情 ■

【子持ち翻訳コーディネーターの在宅勤務の一日】

共働き世帯が増える中、仕事と家事・育児を両立する人は金融翻訳業界でもめずらしい存在ではなくなりつつあります。今回は、幼稚園児の子供を持つ翻訳コーディネーターに在宅勤務の一日を紹介してもらいましょう。
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午前6時半~

起床。洗濯の開始と朝食の準備。子供がいると計画通りに動けないことが多々あるため、在宅で仕事をする日の朝は緊張感が漂う。息子をなんとかおだてながら身支度をさせる。好みのメニューでないと食事のペースが落ちるので、朝食にはなるべく本人が積極的に食べられるものを出す。幼稚園に持っていくお弁当も用意。

午前8時半~

登園ルート途中の公園でふざける子供をせかしながら幼稚園に送り届け、猛ダッシュで帰宅。

午前9時~

パソコンを起動し、素早くメールをチェックする。欧州系証券会社から毎週受注しているマクロ経済レポートが入稿。大抵は午前8時台に入稿するが、午前9時を回ることも。入稿したらまずはプリントアウト。原文をWordファイルにコピー&ペーストして全体の分量を把握し、指示の内容に不明な点がないか確認したうえで、依頼主に受領確認のメールを送信する。次に、各翻訳者に割り振る分量を決めてから手配。

午前10時~

前日に入稿した別の定期案件の翻訳手配に着手。全体の分量を見た後、いつもお願いしている複数の担当翻訳者に依頼。依頼メールの内容に誤りがないか、重要事項の連絡もれがないか、送信前の見直し作業が欠かせない。各担当翻訳者から受領確認のメールが届くと一安心。

午前11時~

別の翻訳者に依頼していたマクロ経済デイリーレポートの訳文が届く。エディターによるチェックの後、誤字・脱字や数字の誤りがないか最終確認してから依頼主に納品。

正午~

昼食でホッと一息。残りものをランチにすることはしょっちゅう。昼休みはインターネットを見たり、室内を歩き回ったりして気分転換する。

午後1時~

米系投資顧問会社のマクロ経済マンスリーレポートが入稿。この日は債券と株式に関するレポートの計2本。分量と翻訳範囲を確認し、複数の担当翻訳者に割り振る。

午後2時~

欧州系投資顧問会社の運用報告書が入稿。今回は納期にかなり余裕があったため、近日中に入稿する予定の別案件との兼ね合いを考え、翻訳の手配を保留にしておく。

午後3時~

翻訳者から毎月末までに提出してもらっている翻訳料金表を一つのフォルダにまとめ、内容をチェックする。社内で把握している数字と大幅に異なる場合は翻訳者に確認を依頼。

午後4時

当日の業務内容を同じチームのスタッフにメールで報告し、勤務終了。引き継ぎ業務がある場合は簡潔に伝える。パソコンの電源を落とし、幼稚園に子供を迎えに行く。帰宅後も子供の遊びに付き合うなどして、夕食の支度が遅れることも。
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子持ち翻訳コーディネーターの在宅勤務の一日、いかがでしたか。仕事はある程度自分のペースで淡々とこなせるものの、育児は思い通りにいかないことが大半のようです。仕事と家事・育児との両立は簡単ではないでしょうが、その両方を同時に味わえる時期を貴重な人生経験のチャンスと捉え、無理のない範囲でこなしていくのも一つの手かもしれませんね。

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