■ 今月のキーワード ■
【go sideways】横ばいになる、横ばい状態になる、横ばいで推移する経済指標や市場などに関してよく使われる表現です。
(例文)
We expect the residential property market to go sideways next year.
(訳例)
来年の住宅不動産市場は横ばい状態になるだろう。
■ 金融翻訳事情 ■
【タカ派とハト派】
金融政策に関する新聞記事やレポートには、しばしば「タカ派」、「ハト派」という言葉が登場します。特に最近では、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期に注目が集まる中で、FRB関係者の発言が「タカ派寄り」であるか「ハト派寄り」であるかが市場の動きを左右することも少なくありません。今回の記事ではこれらの言葉の意味をもう一度おさらいしたいと思います。
○もともとは政治用語
タカ派、ハト派という言葉は、もともとは政治用語です。強くて攻撃的なタカ(鷹)と温厚で平和の象徴であるハト(鳩)というそれぞれが持つイメージから、タカ派は強硬派、ハト派は穏健派を指す言葉として使われるようになりました。
○金融・経済用語として使われる場合の意味
政治用語であった「タカ派」、「ハト派」は、意味が転じて金融・経済用語としても用いられるようになりました。現在では、景気に対して強気の見方をし、物価安定を重視して金融引き締めを推進する姿勢を「タカ派」、景気に対して慎重な見方をし、景気拡大を促進するために金融緩和を積極的に実施する姿勢を「ハト派」と呼ぶのが一般的です。
○各中銀関係者の発言
2015年11月現在、FRBは政策引き締めに向けて動いていることから、関係者の発言も「タカ派」的な内容が多くなっています。一方、欧州中央銀行(ECB)や日銀の関係者の発言は、金融緩和を継続する意向を示すために「ハト派」寄りとなっています。経済情勢によってこうした発言に今後どのような変化が見られるかに注目してみるのも面白いでしょう。