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global2j通信~VOL.135~ 2015年7月号

■ 今月のキーワード ■

【first print】速報値

金融・経済関連の調査レポートなどではprintが経済統計や統計値の意味で用いられることがあり(例:GDP print=GDP統計、GDP成長率)、first printは速報値を意味します。

(例文)
Fourth-quarter GDP growth was revised down from a first print of 2.6% annualized.

(訳例)
第4四半期のGDP成長率は速報値の年率2.6%から下方修正された。

■ 金融翻訳事情 ■

【翻訳会社に求められていることとは?】

おかげ様で、global2jにはお客様からの翻訳依頼が数多く寄せられます。当社のお客様のほとんどが外資系の金融機関です。そういった組織にお勤めの方は非常に語学が堪能で、幅広い金融知識をお持ちの場合が多いようです。では、なぜそうした方々があえて外部の翻訳会社に翻訳をご依頼されるのでしょうか。今回は、「翻訳会社がお客様から求められていることは何か」について、翻訳コーディネーターがお客様との対話の中で感じたことをまとめてみたいと思います。

○翻訳の迅速化と業務効率の向上

昨今のコスト管理体制の厳格化のためか、幅広い業務を1名ないし少人数でこなしていらっしゃるお客様が増えてきている印象です。英文レポートや資料の翻訳を業務の一環としてご担当されている場合、他の業務との兼ね合いから翻訳に多くの時間を割くことは難しいと思われます。さらに、資料が陳腐化してしまうのを避けるためにも、迅速な翻訳が求められます。そんな時に「助っ人」としてglobal2jに翻訳をご依頼なさることが多いようです。翻訳会社を利用すれば、つの翻訳案件を複数の翻訳者で担当するなどして分散化できるため、1人で翻訳する場合よりもかなり迅速に翻訳を進められます。それだけでなく、お客様ご自身は他の重要業務に時間を当てられることから、業務効率の向上が図れます。

○日本語として読みやすい訳文の提供

翻訳対象のレポートや資料は、ご依頼主である金融機関のお客様がご利用されるものに加え、「お客様のお客様」向けのものである場合も少なくありません。したがって、様々なタイプの対象読者を想定した訳文を作成する能力が必要になります。必ずしも専門知識をお持ちではない個人投資家向けの文章の場合、訳文作成においてはどなたにも理解していただけるような表現を心がける必要があります。一方、マーケットのプロに向けたレポートについては、非常に専門的で内容の濃い文章であることが多いため、適度に専門用語を使いつつ、無駄な表現を省いた簡潔な文章にしなくてはなりません。様々な日本語表現に精通した翻訳のプロである翻訳会社に依頼することで、こうした微妙な点にも気を配った読みやすい訳文を「お客様のお客様」にご提供することができるのです。

○正確性・整合性

レポートや資料作成の上で一番必要なのは内容の正確性であることは言うまでもありません。global2では、原文中のデータの正確性について元データを検索するなどして注意深く検証し、万一誤りが疑われる場合はコメントを付けてそれをお客様にご確認いただくようにしています。こうして「原文よりも精度の高い」訳文を作成することが、お客様に信頼して頂ける理由の1つとなっています。また、訳文の表記やスタイルについても1つの案件でばらつきが出ないよう細心の注意を払っています。文字の半角全角、送り仮名などは一見些細なことに思われがちですが、こうした細かい点まできちんと整合性を取ることによって、文章全体の信頼性が大きく向上するのです。このようなきめ細やかな配慮も、翻訳会社を利用するメリットと感じていただいているようです。

いかがでしたでしょうか。これらを踏まえたうえで、今度は「求められる翻訳者像」をご自分なりに描いていただければ幸いです。

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