■ 今月のキーワード ■
【earnings multiple】株価収益率
price/earnings ratio(PE ratio、P/E ratio、PER)と同じ意味になります。株価収益率は英語では他にprice multiple、multipleと表現されることもあります。
(例文)
U.S. stocks are overvalued in terms of earnings multiple.
(訳例)
米国株は株価収益率で見ると過大評価されている。
■ 金融翻訳事情 ■
【米国の経済指標に注目(雇用関連指標)】
世界経済の中心的存在である米国経済。その行方を占ううえで非常に重要なのが経済指標です。当然ながら経済・金融関連レポートでも頻繁に取り扱われます。今回は数ある経済指標の中でも特に注目される雇用関連指標の一部をご紹介します。
・Nonfarm Payrolls/非農業部門雇用者数
米労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics:BLS)が発表する統計。非農業部門に属する事業所(政府機関や民間企業)の給与支払い帳簿をもとに集計された就業者数。原則として毎月第1金曜日(第2金曜日の場合もある)に発表される。後述の失業率とともに最も注目される指標の1つ。
・Unemployment Rate/失業率
非農業部門雇用者数などとともにBLSが発表する統計。失業者を労働力人口(就労を希望している失業者と就業者の合計)で割ったもの。非農業部門雇用者数が事業所を対象として調査されるのに対し、失業率は家計を対象として調査されるため、両者の動向は必ずしも完全に一致しないことがある。経済・金融政策に大きな影響を与えることが多い。
・Initial Jobless Claims/新規失業保険申請件数
米労働省雇用訓練局(Employment and Training Administration:ETA)が発表する統計。失業者が初めて失業保険給付を申請した件数を集計したもの。毎週木曜日に前週のデータが発表される。失業者が増えると失業保険の申請件数も増えるため、件数の増加は雇用情勢の悪化を意味する。1週間ごとの数字はブレが大きいため、トレンドの把握には4週移動平均(four-week moving average)が多く用いられる。
・Job Openings and Labor Turnover Survey(JOLTS)/求人労働異動調査(JOLTS)
求人(job opening)、採用(hire)、離職(separation)といった労働需要の動向を明らかにする指標。BLSが毎月上旬に発表する。イエレンFRB議長が注視しているとされる総合的な雇用情勢に関する情報が多く含まれていることから、市場でも徐々に注目が高まってきている。
他にも多くの指標がありますが、まずはこの4つに注目しながら新聞などを読むと、米国の雇用情勢のトレンドが大まかに把握できるかもしれません。学習にお役立て頂ければ幸いです。