メールマガジン

global2j通信~VOL.104~ 2012年12月号

■ 今月のキーワード ■

【catalyst】原動力、呼び水、きっかけ、要因

マクロ経済や金融市場に関する調査レポートにおいては、一般の英和辞書に掲載されている「触媒」などの訳語ではしっくりこない場合が多いため、文脈に応じて上記のような訳語を用います。

(例文)
For now, the main catalyst for growth is an increase in investment in infrastructure.

(訳例)
今のところ、インフラ投資の増加が成長の主な原動力となっている。

■ 金融翻訳事情 ■

【金融・経済翻訳の魅力】

今年も残りわずかとなりました。年内最後のメールマガジンでは、金融・経済翻訳の魅力についてお話ししたいと思います。

・スケジュールが安定している

金融・経済翻訳は文芸翻訳やIT翻訳などと比べて仕事の依頼が定期的です。金融・経済分野では翻訳需要の大半が調査レポートに集中していますが、これらはたいていデイリー、ウィークリー、毎四半期などの決まったペースで発行されます。このため、他の分野と比較すると、翻訳者としては仕事の日程が管理しやすいメリットがあります。

・世界の動きをいち早く知る楽しみがある

金融・経済レポートには世界情勢に関する最新の情報が多く含まれています。例えば、最近テレビや新聞で頻繁に出てくる「財政の崖」の問題は、こうしたレポートでは半年以上も前から取り上げられていました。一般のメディアで話題になる前にいち早く世界の情報を得られることは、知的好奇心の強い方には大変魅力的であると思います。

・訳語を推敲する喜びがある

決まった日程で発行されるレポートですが、原文の表現は筆者やトピックによってさまざまです。小説からの引用や、ことわざをもじったものも多く、一つとして同じものはありません。そして、こうした多様な表現を日本語にする際にも工夫が求められます。定型的であることが多い契約書やマニュアルの翻訳などと比較すると、実務翻訳の分野の中では言葉を選ぶ余地が大きく、自分ならではの訳語を推敲できる喜びがあります。

実はまだまだある金融翻訳の魅力。来年もさらに金融翻訳に関して皆様のお役に立てるような情報を提供していきたいと考えています。一年間ご愛読ありがとうございました。皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

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